前回から、週休3日制をどのように活用していくかという応用をお話しています。前回は働き方をカスタマイズして退職を回避できたケースについてご紹介しました。今回も引き続き、週休3日制の活用の方法についてご案内します。

介護事業者を悩ませる育休復帰の際の働き方

実際にあったケースをご紹介します。大変喜ばしいことですが、介護事業者としては頭を悩ませる産休育休に関するケースです。職員が産休育休を経て復帰される際に、悩まれる介護事業者様多いのではないでしょうか。育休復帰の際に大半の方は短時間で復帰されることが多く、夕方四時くらいまでの勤務となるため、昼間が余剰傾向になります。一方で遅番や夜勤、早番が不足傾向になります。育休復帰される方が同じ現場で複数人同時となるとシフトの組み方は非常に難しくなってしまうはずです。
私が以前マネジメントをしていた介護施設でもこういった状況は発生しました。この際に週休3日制を活用し、乗り越えることができました。

育休復帰の際に週休3日を選択するケース

育休復帰をする半年くらい前から、対象者に育休復帰を前向きに事業所としても考えていることを伝え、育休復帰を可能な限り支援する旨を伝えました。(基本的なことですがしっかり伝えるのは大事なことです。復帰される方も「迷惑をかけるかも」と不安に思っていらっしゃることが多いですから…)その上で「どんな働き方を選択していただいても構わない。」と伝え、選択肢を提示しました。
選択肢は①一般正社員でそのまま復帰、②時短勤務で復帰(夜勤なし、週5勤務、1日6時間程度)、③時間給で復帰(働き方はカスタマイズ可)、そして④週休3日正社員で復帰(夜勤有り)です。一般的な介護事業者ですと①から③を提示し、対象者は②の時短勤務を選択される方が多いはずです。しかし④も選択肢として提示し、それぞれのメリット・デメリットを伝えると④を選択する方が多かったです。その当時、育休復帰された方が数年で4人程いましたが、3人が④の週休3日正社員で復帰(夜勤有り)で復帰いただきました。数が少ないので参考程度ですが、75%です。
これは事業者側からすると大変にありがたいです。朝から夕方までに偏り、早番、遅番、夜勤が足りなくなる事態を回避できるのです。計画的な人員計画・シフトが実現します。これがどれだけ事業者、同僚にとって大きいか、皆様なら分かるはずです。
ではどうして育休復帰が③週休3日正社員を選択したか、次回はその理由についてご紹介したいと思います。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。