今回は、弊社の社名でもある週休3日についてお話したいと思います。

人材不足に困り、選択的週休3日制導入

もう15年以上前ですが、介護施設の施設長を務めていた際、選択的週休3制を導入しました。一般正社員(年間休日120日)か時給制の二択だった人事制度に、年間休日153日の週休3日正社員(短時間正社員)の選択肢を加えました。給与は固定給(日給月給制)ですが、働く時間に合わせて8割程度とする、今で言う同一労働同一賃金の考え方をしました。余談ですが、厳密に週休3日と言う場合、年間休日を156日とする必要があります。

週休3日制を導入した背景は、人材不足です。当時、リーマンショック前でどちらかといえば好景気。人材募集をハローワークや求人誌でしても全く応募がない状況でした。そんな中、少しでも求人を差別化しようと編み出したのが選択的週休3日制でした。当初、経営者も従業員も「正社員なのに給与が下がるのだから、そんな変わった働き方をしたい人はいないだろう。」と懐疑的でした。ただ、他に人材不足を解消するアイデアがなかったので、なんとか理解してもらって募集を開始しました。当時は珍しかったのか、募集を開始して1ヶ月程で応募があり週休3日正社員で採用できました。以降も週休3日正社員で看護師と介護士を採用していきました。(誤解がないようにお伝えすると、現在はその当時よりさらに採用環境は厳しくなっていますのでご注意ください)その後数年の人材採用における割合は、一般正社員が3割、週休3日正社員が6割、時給者が1割程度でした。運用開始して6年経過した後、全体の3分の1超える方が週休3日で働く介護事業所になっていました。おかげさまで人材不足は解消し、人に困らない介護施設となりました。

週休3日制導入のデメリット

あえてまず週休3日制導入のデメリットからお話しようと思います。ひとつめは、シフト作成の担当者の精神的負担が大きくなることです。毎月のシフトはただでさえ担当者を苦しめます。そんな中で新しい働き方が増えたら負担がさらに大きくなる・・・というようにシフト作成担当者は考えます。ただ、シフトがパスルの要素が大きいという視点で考えてみれば、個々に就業時間にばらつきがでやすい時給者が多い事業所よりも、8時間均一で働く一般正社員と週休3日正社員の比率が大きい事業所の方が、シフト作成の負担は小さいはずです。つまるところ、「新しい制度が導入されると大変」という印象が先行し、実際以上に負担を感じるケースが多いように思います。もうひとつのデメリットは、週休3日で勤務する方は、勤務の間隔が開き気味になり、現場の変化についていくのに不安・ストレスになることがある点です。その他のデメリットは事業所によって個別性がありますので機会があれば個別にお話さえていただきます。

次回は週休3日制導入のメリットをお話させていただきます。キーワードは「タイがカモになる」です。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。