前回まで複数回にわたり、1日8時間の週休3日制、1日10時間の週休3日制を詳しく見てきました。それぞれのメリットとデメリット・課題をご説明させていただきましたが、1日10時間の週休3日制の導入は既存社員の負担になる可能性が高いため慎重に検討した方が良いことをご注意させていただきました。一方で1日8時間の週休3日制と一般正社員を選択できる選択的週休3日制は有効性が高いこともお伝えさせていただきました。今回は代表的なこの2つ以外の週休3日制について可能性をお話したいと思います。

1日9時間勤務 週36時間の週休3日制

まずご案内するのは1日9時間勤務の週休3日制です。休憩時間1時間で実働9時間勤務の働き方になり、これを週に4日間勤務する働き方になります。かなり特殊な働き方にはなりますが、就労する側のメリットとしては①週36時間勤務となり、同一労働同一賃金の視点から給与が大きく下がらないにも関わらず週休3日で働くことができる点。②1日勤務時間は9時間と一般的な8時間に比べれば長いですが、8時間勤務でも時間外業務が発生することがありますし、1日10時間勤務と比較すれば、そこまで負担が大きい働き方ではない点があります。一方で、事業者側のメリットとしては①他の事業所と働き方・採用条件を差別化することで、採用力をアップすることができる点、②1時間の休憩時間を挟んで9時間勤務(10時間拘束)になりますので、夜勤等のシフトが組みやすい。(1夜勤1回勤務のスタイルの場合、夜22時から朝8時までの勤務になります。)③1日8時間での働き方で時間外業務が常態化している場合1日9時間勤務で解消される可能性がある、といったところがメリットになってきます。デメリットとしては1日10時間勤務の週休3日制と似ていますが、やはり一般的な1日8時間の働き方と就業時間が異なり特殊になってきますので、そのエリアの働き方に対するニーズに合わないと採用に苦戦することがあります。

働き方・制度設計の自由度は高い

1日9時間勤務の週休3日正社員を見ていただきましたが、これはあくまでひとつの参考でありかなり特殊性が高い働き方です。それでもあえてご紹介させていただいたのは、この働き方の有効性を考えていただくよりも、法人の働き方や制度設計の自由度が高いことを確認いただきたいからです。エリア・事業所の事情をふまえ最適化させた働き方を設計することが大事なのです。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。