今回は前回に引き続き、1日10時間の週休3日制についてお話させていただければと思います。
介護領域で介護施設(介護事業)を運営する法人から週休3日制導入をご相談いただく際、全体の半数以上が想定されている、1日10時間の週休3日制。元々の就業時間である週40時間なので導入しやすい印象があるかと思います。一方で課題もあり、前回は「①勤務の開始 終了時間変更の負担が大きい」ことをご説明させていただきました。他の課題も見ていこうと思います。

1日10時間の週休3日制導入の課題

②子育て・家族の介護などに必要な福祉サービスと時間が合わない

介護領域ではご存知の通り女性が多く活躍しています。厚生労働省の令和6年介護福祉国家試験合格発表の参考資料を見ても女性の介護福祉士合格者の比率は69.9%となっています。男性の比率も増えてきましたが、介護領域の人材確保において女性に受け入れられる働き方が重要なのは間違いありません。
生き方が多様になってきているので、ひとつの側面として捉える必要がありますが、女性の中には、子育てや家族の介護をしながら働いている方もいらっしゃいます。

例えば子育てをしている女性のケースで見てみます。保育園に子供を預けながら働いているケース。エリアによって異なりますが、子供を預けられる時間は早くても午前7時頃からでしょう。お迎えは延長保育があったとしても午後7時頃までではないでしょうか。最近は保育園も働き方改革の一環で、子供を預かる時間は短縮される傾向であり、午前7時半から午後6時半あたりが一般的なのかもしれません。午前7時半から午後6時半は計11時間となります。仮に1日10時間勤務(休憩1時間を含めると11時間拘束)の事業所に務めているとなると、送迎の両方はできません。パートナーやご家族などのサポートが必須になります。以前に比べれば夫などのパートナーの理解が深まり送迎を手伝ってくれる男性が増えてきているのは間違いないですが、どうしても手伝えない・手伝ってくれないご家庭があるのも事実です。重要なことは、1日10時間勤務と保育園のサービスの相性が良くないということです。結果的に就業の可能性がある方を限定してしまいます。
保育園と同様に、その他の介護や福祉サービスも、1日8時間の就業でも厳しいのに、1日10時間の就業とは合いません。人材が足りないのに就業の可能性がある方を限定するのはそれだけで大きなデメリットになります。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。