前回まで数回に渡って、介護施設において選択的週休3日制を導入した実際やメリットについてお話ししてきました。今回は、週休3日制を導入するデメリットについてお話させていただきます。

前回までお伝えした通り、介護の現場において週休3日制で働く方は「もう1日働いてもいいかも。でもこれくらいにしておきます。」というように、ちょうど良い働き方ができていると感じて介護に従事していただくことができます。ちょうど良い働き方が心の余裕を生み、利用者様に対する介護が丁寧になったり、認知症の方が二度三度と同じご要望をおっしゃっても大らかに対応できるようになったりします。これは週休2日で介護に従事されている方が心に余裕が持てず丁寧な介護ができない、ということではありません。人それぞれです。週休2日がちょうど良い働き方で心に余裕を持ち、利用者様に丁寧に介護をすることができる人も当然いらっしゃいます。ですが介護の現場においては依然として女性が多く、家事や家族のサポートもあってご自身のお休みがしっかり取れない方が多いのも事実です。仕事とプライベートのどちらも負担が大きく疲弊しがちで週休2日だと余裕がなくなってしまう方が、週休3日なら心身に余裕を持って介護に従事することができるようになる、ということです。人それぞれに健康・体力が違ったり、抱えている事情は違います。だからこそ個々の事情や体力・希望に合わせて希望者は週休3日を選択できる環境は、働く人も介護を受ける方もどちらにもメリットが大きいと感じます。

ただそんな中で、週休3日制にデメリットが全くないかと言えば、そんなことはありません。介護現場において週休3日制を導入するにあたってのデメリットを紹介します。

デメリット❶ 週休3日で働くと給料が減る

ひとつ目は、働く時間が減れば、その分給料が減ってしまうことです。週休3日の働き方は一般的には3つの方法があります。

❶働く時間も給料も変わらずに週休3日になる
 例:1日10時間×週4日勤務・給料は変わらない
❷働く時間は減るが給料は変わらずに週休3日になる
 例:1日8時間×週4日勤務・給料は変わらない
❸働く時間が減り、合わせて給料も減って週休3日になる
 例:1日8時間×週4日勤務・給料は働く時間に合わせて8割程度に減額

以上3つです。一般企業では❷の「働く時間は減るが給料は変わらない」という夢の週休3日制導入もあり得るのですが、介護の世界はそうはいきません。介護はあくまで介護保険の報酬制度によって成り立っているからです。介護保険の報酬制度においては、介護では当然ですが、実際に人がいて介護を提供することの対価として報酬が発生しますので、どうしても働く時間の長さに給料が反映されてしまいます。❶を導入する介護事業所もありますが、始めやすさと運用のしやすさから❸を選択できる選択的週休3日制を導入しているところが多く、週休3日を選択すると、給料が減るというのはデメリットと言えると思います。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。