働き方改革という言葉が世間を賑わせるようになったのは二○一八年頃でしょうか。当時は国が働き方改革を主導し、多少なりとも働き方の問題を解決してくれるのではないか、という期待感がありました。一方で「何がどう変わるのだろう。うちの事業所は変化についていけるのだろうか。」という不安感もあったように思います。

それから数年。パンデミックがあり介護事業の経営は、働き方改革どころではなくなりました。新型コロナウィルス感染症の影響は大きく、利用者減少や、クラスター発生などによる経営的なダメージは計り知れません。余裕がなく厳しい状況ですが、見て見ぬふりしたまま働き方改革には手をつけず良いのでしょうか。

結論から言います。働き方改革は速やかに始めるべきです。それほど費用をかけずに行うことができます。実現する為の一番のポイントは「経営者自ら 頭を柔らかく」です。本来、事業所が定めることができる働き方はかなり自由度があります。実は「常勤」の定義も国や制度が決めているわけではありません。「色々と制限がある」と思うのは固定観念に縛られているからです。経営者が積極的に人事・労務について学び、頭を柔らかくして事業所の働き方を時間が掛かっても徹底的に考えることが大切です。

皆さんがこれから採用していきたい若者は、四十代以上の人とは考え方が違います。特に今の二十代の価値観は全く違います。固定観念に縛られた不条理な働き方は、見向きもされません。

実は私も事業承継した事業所の働き方改革はこれからです。数回にかけて「介護の働き方」を皆様と一緒に考えていきたいと思います。