前回から、週休3日制を介護施設においてどのように導入し、どのように運用しているかお話しています。基本的な選択的週休3日制導入をご紹介させていただきましたが、今回は応用編として、法人の事情や戦略的な理由により策定した選択できる働き方制度をご紹介させていただきます。

選択的週休3日制を活用した介護施設の働き方改革

下の図は実際に介護施設で導入支援をさせていただいた選択的週休3日制です。正確に言うと「選択できる働き方制度」です。就業にあたって、週休2日(年間休日106日)とパートという介護施設においてよくある働き方の他、年間休日120日の正社員と、週休3日正社員の中から選ぶことができる制度となります。前回ご紹介をさせていただいた基本的な「選択的週休3日制度」との違いは「年間休日120日の正社員」の選択肢が追加されている点になります。複雑な印象になるので運用が若干難しくなるのですが、それでもこの制度にしたことには理由があります。

年間休日120日を活かした介護施設の働き方改革

就職や転職を検討している方、特に若い世代の方にとってお休みの数は、入社する法人を検討するにあたって非常に重要なポイントになります。一般的に年間休日120日に達しているとお休みの数が多い印象を持たれることが多いようです。少なくとも医療介護領域において年間休日120日は少ないのではないでしょうか。この法人において導入した「選択できる働き方制度」は、この「お休みの数が多い」印象をしっかりピーアールすることを重視し設計しているのです。募集においては「働き方選択制度」を導入していること、「年間休日120日」であること、「希望する方はもうちょっと頑張って働く条件も提示できる」こと、以上3つをポイントに発信します。そうすると募集情報を見た方に「年間休日120日と週休3日の働き方を選択できてとても働きやすそうな法人だ」と興味を持っていただくことができます。実際、介護における週休3日制は、お休みが減る分給与も減る同一労働同一賃金の考え方で設計されることが基本なので、いくら週休3日に興味があっても経済的な希望により選択できない方も多いのが実情です。その中でこのような働き方を選択できる正社員制度をうまく活用することで採用機会を増大させることができます。

株式会社週休3日では、介護事業者様向けに週休3日制のセミナー・情報発信・導入支援を行っております。

社名の通りどこよりも週休3日制と週休3日正社員の採用に詳しいです。実際に介護事業で実践している情報やノウハウを駆使し、お困りごと・お悩みに合わせてお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

永井宏明 / Nagai Hiroaki

株式会社週休3日 代表取締役

印刷広告代理店営業、WEBコンサルを経て、静岡県の地域密着企業で人事・総務として10年勤務。同法人で介護施設の施設長に就任。8年間施設長を務め、多くの見取り(終末期)をコーディネート。就任3年目以降介護施設で週休3日制導入。その後、株式会社週休3日を創業し、2017年から事業開始。週休3日正社員という働き方の選択肢を広げる活動を続ける。2022年7月、クリニックからの事業承継により認知症グループホームの経営に参画。グループホーム今日香と明日香の経営に携わる。子供4人、共働き、育児パパ。趣味は演劇。作・演出 作品で静岡県芸術祭賞 他受賞。