集まる週休3日正社員への関心

株式会社週休3日が職業紹介事業を浜松市で本格開始したのは2017年1月です。
(創業は2016年8月ですが、許認可が12月になりました。週休3日に対する想いはこちらのページをご覧ください。)

職業紹介とは、「働きたい方」と「求人をしている事業者」とをマッチングし、直接の雇用関係を斡旋(サポート)する事業です。人材派遣とは異なります。
現在、薬剤師・看護師 他医療介護福祉を中心に職業紹介を行なっております。無料の就職転職サポート登録はこちらのページで承っております。

週休3日に関するニュースは、ヤフーさんが2016年9月に「数年のうちに週休3日制を導入する」と発表したぐらいで、2017年1月の時点では週休3日の働き方に対する注目も低いものでした。

そんな中、弊社は1月から週休3日正社員の働き方を広めるべく事業を開始します。
まずは「週休3日正社員で働きたい」という方を集めることから開始しました。

まずは1月中旬から医療介護福祉で働く方を中心に浜松市で「週休3日正社員の働き方説明会」を複数回実施させていただきました。

働き方でお悩みの子育て世代の力になりたいという気持ちもあり、30代・40代の女性を主に対象に説明会を開催させていただきました。

浜松市の学童保育を考える会の村田亜希子さん、maku(マークー)代表の島津順子さんなどをゲストにお迎えしながら、週休3日正社員の働き方についてご紹介し、週休3日正社員の働き方にご興味をお持ちの方の情報を集めて行きました。右も左も分からないうちから、前向きにご協力いただいた島津さん、村田さんには本当に感謝です。
イベントを通して、週休3日正社員の働き方に対して、多くの方にご興味をお持ちいただきました。

ここで基本中の基本。一般正社員と、週休3日正社員の違いについて確認しておきたいと思います。

一般正社員の働き方

以下が週40時間勤務の一般的な正社員の代表的な働き方になります。
※実際には、色々な勤務形態がありますが、週40時間、月間173時間、年間2085時間のどれかを上限に事業者ごと設定されています。
一般的な正社員に対し、週休3日正社員は大きく分けると、以下2通りのスタイルがあります。

週40時間 週休3日正社員

一般的な正社員と同じく週40時間を基本に、勤務日数を週4日にした週休3日の働き方です。一般的な正社員と同じ勤務時間ですので給与は変わらないことが多いです。
ただし、一般正社員の時には時間外業務手当が付与されていた場合でも、1日10時間勤務になることで時間外業務手当が付与されなくなり、時間外業務手当の分だけ給与が減ることもあります。
社会保険対象となり、有給休暇日数も一般正社員と同じになります。

週32時間 週休3日正社員

1日8時間勤務のまま、1週間の勤務日数を1日減らし、5日から4日にする週休3日正社員です。1週間の勤務時間が32時間になります。働く時間が一般正社員の8割になるので、給与も8割程度になることが多いです。
社会保険も多くのケースで対象となります。働く時間は一般正社員の8割ですが、多くのケースで有給休暇日数も一般正社員となってきます。

週休3日正社員に働き方を変えたいとのお気持ちで、実際にご登録いただく方も多くいらっしゃいました。
多くの方は「週休3日正社員で働くことができる、良い事業所があれば検討したい」というご希望でした。
また「できれば、午後5時頃までの勤務」を希望されている方が多いのも特徴でした。

ただ、残念ながら、時短勤務と週休3日正社員の両立は厳しくなります。
上図の通り、1日8時間勤務で週休3日ですと週32時間となり、週40時間の一般的な正社員制度の事業所では、社会保険の条件ギリギリです。
勤務時間を1日7時間(9:00-17:00 休憩1時間)にすると、勤務時間が週28時間となり、社会保険対象外となってしまうのです。
社会保険との兼ね合いや、他従業員との兼ね合いを考えても、週休3日正社員の時短は厳しいでしょう。
これは2018年以降についても、関係法令が変わらない限り状況は変わらないと思います。

事業所側の思いがけない判断

それでも、1日8時間 週休3日正社員を希望される方もご登録いただくようになりました。

実は開業前後から「人材不足が深刻だから、週休3日正社員でもいいから採用したい」と言うお話を複数の経営者様からお話をいただいておりました。
また、「知り合いの事業所が人が集まらなくて困っているので、週休3日正社員でも採用してくれると思います」と言うお話も複数件いただいておりました。

3月頃から少しずつ、医療介護を中心に「週休3日正社員で働きたい方」を上述の事業所に紹介させていただくようになりました。

しかしながら。

うまくマッチングができません。

これは、私どもがそもそも経験不足だったということや、医療介護のお仕事が夜勤や土日出勤などもありマッチングポイントが多いということだけが理由ではありませんでした。

経営者が「週休3日正社員でもOK」と考えても、人事担当者が「それでは統制が取れなくなる」と経営者に進言し、経営者も渋々採用を見送るといったケースが続いたのです。

一部の方には、ご期待にお応えできないこともございました。この場を借りてお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。

週休3日薬剤師.com

事業の根幹たる職業紹介事業が思うように実績が出ない中、4月頃にはなんとか打開しなければ会社の存続が危うくなる状況に追い込まれました。

弊社は、数多い職種の中でも、働く方のニーズが思った以上にあり、事業所側も比較的柔軟に採用を検討いただける、薬剤師を重点的にアプローチすることを決め、特化したWEBサイトを開設します。

それが、 週休3日薬剤師.com です。

6月のグランドオープン以降、北は北海道から南は九州まで、50名を超える薬剤師の皆さまにご登録・説明会にご出席いただきました。
薬剤師の皆様は、特殊な職場事情により、長時間労働や、実質的には週休1日のような働き方でお悩みの方が多く、「働き方を変えたい」とご相談いただいております。

実際に週休3日正社員での紹介実績も増えて参りました。2018年4月には報酬改定があり、薬剤師さんの取り巻く採用環境は大きく変化すると思いますが、地域の偏りや、特殊な働き方を考えますと、今後も安定的に週休3日正社員の転職をお手伝いできると考えます。

週休3日薬剤師.com

株式会社週休3日が事業を始めて1年で分かったこと

何とか事業を開始して1年を迎えることができましたが、週休3日を旗に事業を1年間継続して分かったことをまとめたいと思います。

【1】「週休3日正社員」の働き方には潜在的なニーズがある!

2017年2月、まだ週休3日が注目されていない段階でのインターネットアンケートでも以下の結果が出て驚きました。

週休3日正社員は黎明期で、疑っている方もまだ多く、皆さん様子を見ている印象です。しかしながら、働き方でお悩みの方のお話や、実際に弊社が転職をサポートして週休3日正社員で働いている方々のお話をうがっていると、2018年以降確実にニーズが顕在化していくと確信してします。
今までのところ、30代・40代の男性から「週休3日の働き方を考えたい」とご相談いただく機会が多いです。全く想定外でした。反対に女性の方は想定していたよりも少なめですが、人材不足を背景に(サービス残業が厳しくなるなども追い風に)パートから正社員への流れが加速してくると、平日に全く余裕がないのも困るので週休3日正社員を検討したい、という方が加速度的に増えるはずです。

【2】週休3日正社員を導入する企業・事業者が2018年内で確実に増加する!

現在日本は人口減少社会に突入しており、人材不足は今後も慢性的に続くはずです。これを背景に、企業・事業者は正社員の定義を再定義する必要に迫られるはずです。再定義の結果として週休3日制を導入し、週休3日正社員を募集する企業が増えると考えます。

経営者の方は、比較的週休3日制に対してポジティブな方が多い印象でした。説明させていただくと、論理的に週休3日制の事業者側のメリットを評価いただくことが多かったです。
実は「正社員」というのは、法令や行政が定義しているものではありません。法令においては上限(週40時間)を設定しているに過ぎないのです。
つまり「正社員」は企業・事業者が自由に定義できるものなのです。
人口減少・超高齢社会においては、消費者のニーズよりも、働く人のニーズを捉えなければ事業を継続できなくなるはずです。
正社員の定義における重要条件の勤務時間は、これまでの週40時間だけでなく、週32時間から週40時間といった幅のあるものに変わるはずです。
その時、重視されるのは週32時間勤務、つまり1日8時間×週4日勤務の週休3日正社員なのです。

実際に、医療介護を中心に、週休3日正社員の求人情報はこの1年で大きく増えました。週休3日.comをご覧ください。

週休3日制の未来

人口減少社会・超高齢社会において、働く方の負担が大きくなるのは経済面だけではありません。それ以上に深刻なのは時間の負担が増大することだと考えます。
ひょっとすると2025年頃には「週休2日正社員で働くのは贅沢」と呼ばれるようになっているかもしれません。

日本が人口減少・超高齢社会を乗り越えていくために、株式会社週休3日は、週休3日正社員等の働き方の選択肢を広げていきます。

今はまだ、医師・薬剤師や、浜松地域が中心ですが、2018年は少しずつ職種・エリアの領域を広げて参ります。
2018年もよろしくお願い致します。

2017年12月31日
株式会社週休3日
代表取締役 永井宏明